次回ライブ

【次回ライブ】

11月29日

吉祥寺 曼荼羅 [LIVE! LIFEWORKS vol.20] 19:00open 19:30start 2500円(当日3000円)

出演 岩崎けんいち 山口進(夜ハ短シ) 雨宮弘哲 白倉新之助

2018年10月14日日曜日

大きな樹の家(セロファンの鮮やか窓)

大きな樹の家(セロファンの鮮やか窓)

茂みに隠れているなんて
そんなのって気付かなかった
背中を押されてよろめいて
躓いて初めて分かった

大昔憧れた
無数のガラクタ置き場
大きな樹の家に
セロファンの鮮やか窓

大きな樹の家に
大きな樹の家に
女の子達を呼んで
大騒ぎをする

草むらに寝転んでなんて
そんなのって凄く良いと思うけど
君が好きだっていう小説
3ページで主人公が死んで終わる

今でも大好きな
ひねくれた空想の旅
大きな樹の家に
セロファンの鮮やか窓
大きな樹の家に
大きな樹の家に
女の子達を呼んで
大騒ぎをする

けれどキツツキがやってきて
激しくドアを叩いた(大きな音で)
中に居るのはどうやら分かっているらしい
それでキツツキが言うには
こういう種類の事を(大きな声で)
宣伝したりするのだけは
止めて欲しいんだって

茂みに隠れているなんて
そんなのって気付かなかった
背中を押されてよろめいて
躓いて初めて分かった

大昔憧れた
無数のガラクタ置き場
大きな樹の家に
セロファンの鮮やか窓

小さな想い

小さな想い

空を見上げたら
星は逃げ出して
清らかさとは大きな夢と誠実さを言い
君の望みはちっぽけで
都会を満たさない

殺伐さに生き
些末さに背く
大袈裟なものが全て手に入れる中で
小さな想いは
大切な人にも届かないという

何処に在るのだろう
僕ら浮かべる街
微熱帯びた君の手を掴んだ
夜を思わせるような
空を見上げたら
星は逃げ出して
小さな想いは届かないという

波の打ち方、覗く少女(黒い瞳)

波の打ち方、覗く少女(黒い瞳)

遠くへ行くのは少しも怖くないのと
呟く私には
柊色した水のドレスが似合う

いつもの浜辺で男の子達がまた砂を積み
競い合う
波が訪れる合間に

そして私の事を笑って
そして私の事を夢見て

不安なら夢中の言葉多くないもので
私は消えてしまうのに
気休めの淡い約束が欲しいというの

赤の廻りは思ったよりも速くて
浜辺のパラダイム
移り出す
水を噛む
積み上げられた砂は何処より高くあろうとするけれど
丘の上には私が

そして夕凪に手を合わせ
そして惑うことなく喜びを願う

時に矛盾の心どうしようもなく
綺麗な形で打ち寄せる
理想より未だ惜しみなく巡る日々に
瞳を開き続けて

飛行場

飛行場

空を飛ぶ飛行場に
彼女の写真を取りに戻ったら
皮の切れ目に光る時計
見つけて喜ぶ子供が目に入る

舵を取り損ねた捕鯨船
岩山にぶつかると
花火を上げて言った
「ひどく懐かしい顔触れに出会えた気がします」

別のことを想えば
君が14、15の時に
僕が歩いてた浜辺
水の色
慰められた時に
それはひどく悲しくて
あの飛行場を想う
いいだろう?

暗闇に火をつけて

暗闇に火をつけて

いつから続いているか忘れた
この暗闇に
そろそろみんな目が慣れてきたみたい

子供達はこれが暗闇だということも聞かされていないんだ

信号の赤と緑の灯りだけを頼りに生活することにも
冷蔵庫の熱で暖を取ることにも
慣れてきたみたい

影は何かに光が遮られてできるものなんだって
それじゃあこれは前の時代に遮られた大きな大きな影

でも落ち着いて考えなきゃ
今僕たちまでがたいまつの火を消してしまったら

みんなの足元に落ちているマッチを見つけるための光も
なくなってしまうじゃないか

世界にひとつも花なんて咲いていない
大人たちは花を全て摘んでしまい
それを高値で売って子供達のお小遣いを全部まきあげた

今僕たちまでがロウソクの火を消してしまったら
あなたが一年に一度楽しみにしている幸せな誕生日を
誰がお祝いしてくれるんでしょう

カモンベイビーライトマイファイアー
ハートにじゃなくて
僕と君の暗闇に実際的に
火をつけて

あなたのことば

あなたのことば

あなたはわたしをあいしてるといい
いつしかあいしていないといいます

どちらもおんなじくちからでた
あいするあなたのことばだったのです

わたしはめをふせたちさるしかないので
せなかのあなたがどんなかおしていたのか

おもいだそうとしてめをふせます
おもいだそうとしてめをふせます

あなたはわたしをかえてくれて
いつしかわたしはかわりすぎたのでしょう

あなたをあいすることがわたしの
あいするあなたへのきもちをうばった

わたしはそのままみおくるしかないので
せなかのあなたがどんなかおしていたのか

おもいだそうとしてめをあけます
おもいだそうとしてめをあけます

あなたはわたしをあいしてるといい
いつしかあいしていないといいます

どちらもおんなじくちからでた
あいするあなたのことばだったのです

伝える糸

伝える糸

其れは目を閉じても見えるもの
両の耳塞いでも聞こえるもの

間違いはどうにかなる
流れに似て伸びる真直ぐな一つ

其れは手を触れれば伝わるもの
微かな ほんの微かな震えも伝える糸

僕は繋がれた衛星にも似て
墜ちることのない船

遠ざかる港を背中に思うだけで
僕は漂える木々にもなれる

また新しい糸

遠ざかる港を背中に思うだけで
僕は漂える木々にもなれる

感じたまますれば歴史にもなるだろう
手繰り寄せてほら そこにあるでしょう

ふきのとう

ふきのとう

いざこれからって時の
この気持ち
ささくれだったフキノトウみたいな
雨に萎びたタケノコみたいな
そこはかとなく
お腹の中身が宙に浮いているような

だけどどうしてもやらなきゃいけないことがあって
一歩一歩重くなっていく脚を
なんとか持ち上げる右左

きっとこんな臆病な気持ちには
僕のあのヒーローはならなかったんだろう
誰かみたいにならなきゃいけない
でも最後には自分自身でいなきゃいけないの繰り返し

道は縦横斜めに伸びていて
すれ違う人々はみんなそれぞれに
だったら辞めちゃえばいいじゃないと話しかけてくるみたい

青々と美しいこのお池は
人工的に造られた養殖場
自然に造られた川なんて
大体が濁ってたり曲がりくねってたり

そう僕はこの複雑にこんがらがった
絶望と希望のさざ波を
紅潮と蒼白の顔色を
日陰と日向のムラっ気を
思いっきり踏み潰して前へ

いざこれからって時の
この瞬間
それを迎えた事のある人なら
きっと誰だって同じさ
年甲斐もなく
小さな1日に情熱を燃やしてる

だからどうしてもやらなきゃいけないこれだけは
重油に浸かり切ったような脚を
大地に踏みしめる右左

きっと全部忘れて眠りたい日が
僕のあのヒーローにもあったはずなんだ
誰かみたいにならなきゃいけない
でも最後には自分自身でしかいられないの繰り返し

いざこれからって時のこの気持ち
はにかみ屋のフキノトウが芽を出す
いつまでも新入りみたいにドキドキして
それでも自分は最高だって時々思えているから

そう僕はこの複雑にこんがらがった
絶望と希望のさざ波を
紅潮と蒼白の顔色を
日陰と日向のムラっ気を
思いっきり踏み潰して前へ

ほくろとコスモス

ほくろとコスモス

ほくろ
見つけたや
月の裏側
いつも
照らされてない
そこに

恥ずかしいとこに
一つのほくろ
気になって探してる
いつものお風呂

スレンダーが服を着て
歩いてるみたいな
綺麗なお腹の
おへその下から
宇宙に向かって咲く花
カオスとコスモス

そのエッチな唇に
一つのほくろ
人類最初の着陸は
僕かアームストロングか

あなたにだって背中に
隠してることはある
綺麗な背骨の
湾曲の下から
宇宙に向かって咲く花
カオスとコスモス

恥もかいていこうと
便りが届いたから
僕はどこかに大きなほくろがあるんです
そんな小さな事からだって
心に事件は起きるんです

ほくろ
見つけたや
月の裏側
いつも
照らされてない
そこに

ブリーチ

ブリーチ

間違いならいいのに
それならばいいのに
心の冷たい人と
思われてしまった

数年前までは
あなたは僕たちと
同じ言葉を話し
同じく馬鹿だった

とはいえ僕も
取り立てて何か
してきたわけじゃない
なし得たわけじゃない

ペテン師だらけの
都会に唾を吐いて
あなたはいつかきっと
戻ってくるでしょう

思っていたよりも
真剣に生きていた
ただそれだけなのに
壊れてしまった

守るものができて
そのために何かを
捨てなければならない
そう信じ込んだまま

瞳の奥に
まだ怒りはある
抽斗の奥に
ブリーチ剤はある

解体工事中の
オペラハウスに
あなたはいつかきっと
戻ってくるでしょう

D.I.Y.精神

D.I.Y.精神

物の根本を担っている物の存在を嫌っているのは
哀れな資産家の道楽の二重不倫程の放蕩さとしか言えない

本論はユニフォームの下 この何でも肩透かしの街で
タータンチェックと鋲打ちのリストバンド
黒のコンバースで D.I.Y.

月並みな活動家の模倣
不似合いな躍動感の模倣
月並みな活動家の模倣
不似合いな躍動感の模倣
そして警官が囲んでスリムジーンズを穿いたお前に浴びせかける大量のラム

反対に根本を担っている物の存在を崇めるのは
気ままな子供たちの制限された遊び程の放蕩さとしか言えない
本論はユニフォームの下 この何でも肩透かしの街で
川沿いに住んでショーモデルの女と洪水を待つのさ D.I.Y.

月並みな活動家を遮断
不似合いな躍動感を遮断
月並みな活動家を遮断
不似合いな躍動感を遮断

そして警官が囲んでスリムジーンズを穿いたお前に浴びせかける大量のラム

月並みな活動家の模倣
不似合いな躍動感の模倣
月並みな活動家の模倣
不似合いな躍動感の模倣

月並みな活動家を遮断
不似合いな躍動感を遮断
月並みな活動家を遮断
不似合いな躍動感を遮断

2018年10月7日日曜日

劇場が閉まる日


劇場が閉まる日

誰にも可愛がられず
誰にもなびかず
肩を寄せられれば離れ

馴染みの店を持たず
馴染みの人に会わず
修道士のようであったとしても
大陸は遠く
遠く

劇場が閉まる日
劇場が閉まる日

行き着く島々に未開は無く
掲げてきた旗はことごとく
強風に折られて
それでいて今風は凪ぎ
わたしの張った帆は小さ過ぎる

しかしわたしには
もはやそれしか持つものが無いので
わたしはその帆を誇りと呼び
時々皺を伸ばしては
太陽と雨に打たれ
鼻腔深くまで吸い込んだ
希望の匂いを嗅ぐのである

劇場が閉まる日
劇場が閉まる日

美しい人よ

美しい人よ

美しい人よ
ススにまみれて機関車を動かしていた
帽子を斜めに被って 肩まで腕まくりをして
昨日は汗をかいた 二人分の夢があった
東北地方までさとうきびを運ぶのさ
口笛はとても澄んでいた
現金は少ししか持っていなかった
お前の歌う歌は労働者達の心を打った

美しい人よ
カボチャが駅に飾られた町
女は母親で
赤ん坊を抱いてお前を待っていた
父親は別の女を作って出て行った
人生の大半を子供のために奉げる人
束の間の自分のための幸せ
愛情はカボチャよりも随分重いけれど
ウイリアムテルごっこをするには大きすぎるよ

美しい人よ
広場の真ん中で旗を振っているような
本当はそういう人でありたかったと
お前は言うだろう
物という物を捨てながら
自分の髪の毛で
筆を作り 自分の血液で
絵を描こうとする
わたしはお前のことを素敵だと思ったが
正常な人々は蔑んだ目でお前を見た

僕の心を連れて行かないで

僕の心を連れて行かないで

僕の心を連れて行かないで
他のどこでも構わないから
そこにだけは連れていかないで

僕の心を連れて行かないで
どこもかしこも普通だけれど
あなたみたいに失くしてないんだ

ゲームのように考えて
ゲームのように整理できれば
人は思うがままになる

それはそうかも知れないけど
僕の心の飼い主は
どうしようもないほどくしゃくしゃの

泣いてるような笑い顔
涙はどこか知らないとこからやってきて
そっと通り過ぎていく

そよ風のようなものなんだ
そよ風のようなものなんだ

上に行くのも下に行くのでも
そよ風に身を任せてる

僕の心を連れて行かないで
空気よりも軽いんだから

壊された人の意見

壊された人の意見

天使には君の荷はちょっと重いだろう
壊された人の意見

家族はきっとどこにもいないのだろう
壊された人の意見

原子爆弾に祈りを込めてる
壊された人の意見

黄金を集めて豊かさを知った
壊された人の意見

一瞬だって
永遠だった

永遠だって
一瞬だった

生き物だあんた
地球の存在感
可愛くてポップ
生き物だよあんたは
リラックスしてよ

空にはいく筋もの白い光が
ほら 天使がお漏らしをしてるよ
ねえ迎えにきてよ
壊された人の意見

映画を燃やすイベント

映画を燃やすイベント

忘れよう君のことなんて
子供っぽかった
間違いを今は認めて

僕は今映画で使うような
フィルムの掃除屋
焦げ付いた昔はさておいて

足りないことなんて
余るくらいあった
届かないことなんて
当たり前だった

ここに居ちゃだめだ
ここに居ちゃだめだ

仕事場で夢を見ることは
やめた方がいい
すぐに埃まみれになっちまうぜ

お父さんあなたは僕らを置いて
家を出ていった
その一部始終が映画になったんだ

教えてくれなんて
誰にも言えないし
助けてくれなんて
言う気もなかった

ここに居ちゃだめだ
ここに居ちゃだめだ
ここに居ちゃだめだ

冷蔵庫から
フィルムを持ち出し
燃やしてしまおう

センチメンタルになりすぎるんじゃないよ
映画なんて過去の記録だから

僕は手すりを
掴もうとするたび
そんなものは
どこにも無いと気づいたのだった

忘れよう君のことなんて
上から下まで
忘れよう君のことなんて
何から何まで

上から下まで
何から何まで

空想の冒険

空想の冒険

ねえ
君がもし本気なら
今すぐ始めた方がいいよ

ねえ
少しでも弱気なら
荷物をまとめちまうことだね

遭難してからじゃ手遅れなんだよ

ねえ
君は嵐の日に
風に向かう強さをもってるの

ねえ
それとも優しさが
強さだって本気で思ってるの

そうやって倒れた人を沢山知ってるよ

隣町に映画がやってきたなら
捕まえるんだ
離さないんだ

期待通りに青春が始まったら
捕まえるんだ
離さないんだ

ねえ
空想する事なら
誰にでも出来ると思ってない

でもそれは限られた
君にだけ許されたルーレット
その時を逃しちゃいけないよ

隣町に天使が舞い降りたなら
捕まえるんだ
離さないんだ

期待通りに青春が始まったら
捕まえるんだ
離さないんだ

ねえ
君がもし本気なら
今すぐ始めた方がいいよ
ねえ
少しでも弱気なら
荷物をまとめちまうことだね

相談されてもちょっと困るよな

バイバイ蜃気楼

バイバイ蜃気楼

僕が幸せを感じる時
少しきまりが悪いけど
いつも通りに騒ぎたてるあいつが好きさ
いつも通りでいいのね

この頃忘れかけてた
浮ついた気持ちひと切れ
遊園地で見つけようとするけど

だって君ほら言ったじゃない
だって僕と出会ったじゃない
そうこうしてる内に
観覧車が逆回転

相性のいい人に会えたよ
多感な時期を共に過ごせたのが
何よりも嬉しいけど
相性のいい人よバイバイバイ
bye bye バ・バ・バイ
バイバイバイ

僕が時計の見方を忘れ
念入りに巻き戻そうとして
いつも通りに同じとこから朝は始まる
いつも通りでいいのね

真面目にしてりゃしてたで
真面目過ぎると言われて
難癖もいいところだけどさ

あなた一生知らないでしょ
僕が異国の舞台から見た
臭気も温度も音量も
あなた真面目過ぎるから

相性の悪い人に会ったら
あなたがどこかに隠し持つ綺麗な涙の場所を知りたい
そして押し付け合うのさ
幸せを
孤独を

相性のいい人に会えても
少しずつ甘えあってズレてく感じがなんだかこそばゆいから
内緒の合図でバイバイバイ
バイバイバイ

バイバイ蜃気楼
バイバイバイ

気流


気流

ねえどっちつかずのひな鳥 ルビーを1つ咥えて低空飛行
低気圧がやってきている 軽い頭痛がある

波の破ける瞬間の白 アスピリン錠剤の色
自分の影を見ながら飛んでいる

他のやつらのやり方に 本当に心を奪われた時
その時は翼を畳むときだって知っている

だから首を左に90度 エメラルドのような街の灯
気流は今日もまずまずだった

ねえ光り輝くクジャクたち 仲間にいれてくれないか
彼はその一言が言えずに 彼はまた意固地になる

大空のそのサイズを 良く知りもしないで
適当には飛べないと思っている

太陽にその身を焼かれて 蒸発するように消える時
その時に羽根の一枚でも落としていけたらな

だから首を左に90度 マゼンタの色の海岸線
行き着く先は当てずっぽうだった

わたしの成るべきあなた


わたしの成るべきあなた

わたしの成るべきあなた
今どこにいるでしょう
わたしは今でも安い
昼食をとります

ある日あなたは背広を
着て出て行きましたが
居心地の悪さもすぐ
昔話でしょう

喋り方も遊び方もまるで変わってしまって
ジョンレノンはあなたの行く華やかなクラブでも
ミスタームーンライトを今もしゃがれた声で歌っていますか

いつか誰も彼もが
こんなはずじゃなかったと思うのはどうしてなんでしょうね

どうしてなんでしょうね

わたしの成るべきあなた
今幸せでしょうか
わたしは今や全てを
しまい込んだけれど

息がかかる程近い
場所であなたの想いを
伝え続ける我儘
変わりないですか

眠る時間も遊ぶ時間もまるで見つけられずに
あなたは安物のギターを抱えて飽きもせずに
ミスタームーンライトを今も真っ直ぐな声で歌えていますか

いつか誰も彼もが
こんなはずじゃなかったと思うのはどうしてなんでしょうね

どうしてなんでしょうね

ハートビートが転がってる


ハートビートが転がってる

三つ目の白熊発見したのさ
四つ葉のハコベラ探検家の夢
そうさ憧れは人それぞれ裏腹

蓮の葉の傘で歩き出そう
安物の靴は底が抜けて
僕はもう恋愛の歌は欲しくないんだ

ココア一杯そら飲み干して
行方をくらまそうぜ
何処か遠くほら草むらに
ハートビートが転がってるはずなんだ

トビウオが家で考え込んでる
星降るスピード計算しながら
段々日がくれて犯罪の匂いがしてる

だから
ココア一杯そら飲み干して
行方をくらまそうぜ
そんで何処か遠く
ほら草むらに
ハートビートが転がってるはずなんだ

パラダイスロスト


パラダイスロスト

熱帯の夜には 壁の塗料も汗をかいて 
少しくらい風が吹いたところで
君のカクテルのストローを押し倒しただけ
誰かのしょうもない話に 笑いで付きあわないで
不思議そうにしている君の横顔
オレンジをかじりながら見ている

炭酸ガスを仕込んだお菓子のように
頭がパチパチと音をたてている
自分の家みたいなところにいるのに
早く帰りたいと思うなんて

踊り子のような千鳥足
サンダルの留め具が刻むリズム
躍動しているのか僕たちは
うまくできているのか僕たちは

地上のなんとやら ここはそう呼ばれている
麦わら帽子のひもが緩んでいた
僕は田園の上に身を投げ出したい気分
もう来ることのない列車 口を開けて待ってる
並んでいる枕木にレールは無くて
それはまるで物差しみたいなんだ
もう比べられたくないのに

踊り子のような唇に
幕が下りてしまうのを見たよ
躍動しているのか僕たちは
うまくできているのか僕たちは

青少年


青少年

立派な人にはなれっこないわ
だって私こんな仕事してるもの
ロングコートを羽織って君は
そう書かれた看板を持ってる

きっぱりと森の中に帰って
イチから暮らしを始めてみても
どうせ僕らは電波を飛ばして
いつかネクタイを発明する

夢から醒めた証拠に
君は後悔をありったけ集めて
そして気づく
やれるだけのことはやってきたのだと

生きてくことは悲しいと
昔から言われてたじゃないか
何を今更気づいたみたいに
何を悟ったような顔をして

明かりを消して星を見るんだ
それがどんなに意味のないことでも
君は意味から離脱しなくちゃいけない
君は君から飛躍しなくちゃいけない

欠落を楽しめるなんて
憎らしいほど刺激的だって
僕は気付く
青少年には早過ぎる悦びだったのだと

今日も札束を燃やしに行くんだろ
いつも通りの仕事をするんだ
何一つ身に纏わないで君は
そう書かれた看板を持ってる

国境線沿いの植物


国境線沿いの植物

金網をくぐって
身を屈めては斜めに駆ける
まだ日の出にも誰にも
追いかけられていない
足は靴ひもまで泥水に浸かり
ほとんど前に出せないほど

父さんと母さんは金網の向こうで
細々と毎日を諦めている
でも
息を殺して生きているのと
心を殺して生きているのは
同じなもんか

国境には色んな種類があって
ここは忘れられた国境
警報も鳴らなければ
パレードも通らない
監視員は皆買収されて
薬で気を失った憲法が
仰向けになって笑ってやがる

僕が越えてきたのはそういう種類のものだった

誰か僕のドアに
10億円の絵を描いておいてくれないか
一夜にして人生を変えてくれるのが
あんた達アーティストの仕事じゃないのか

誰か僕のお嫁さんに
愛しているって伝えておいてくれないか
僕はまだ憎しみだけを知っているが
いつか誰かを幸せにできたらって思うよ

砂漠だったら
まだ幾らか良かったのに
渇きと飢えに他の何をも
忘れてしまえるだろう
でも ここの大地は痩せて硬く涙目で
まるで老婆の肌のよう

国境線沿いの植物は
なんという名前かわからない
まるで向こう側に置き去りにした
僕の家族のようなんだ

僕が越えてきたのはそういう種類のものだった

誰か僕のドアに
10億円の絵を描いておいてくれないか
一夜にして人生を変えてくれるのが
あんた達アーティストの仕事じゃないのか

誰か僕のお嫁さんに
愛しているって伝えておいてくれないか
僕はまだ憎しみだけを知っているが
いつか誰かを幸せにできたらって思うよ

僕はビートルズを辞めた


僕はビートルズを辞めた

僕は恋人のお陰で
やっとバンドを辞められた
僕が辞めたバンドの名前は
ザ・ビートルズ

名曲をいっぱい作って
沢山の金を手に入れた
白いピアノも買ったし
ノーベル賞だって獲った

みんな不思議に思うだろ
悩みなんて一つもないだろうって
何処へいくにも顔パスで
入国審査も必要ない

最高の生き方をして
人に尊敬されて
伝説になってみたって
それは僕の欲しいものじゃなかった

愛を求めていたんだ
僕の最低な部分を
僕一人の事だけを
全部認めてくれるような

その白く長い指で
そっと頭を撫でて
僕が眠りにつく前に
眠ってしまうような

お前の愛情を必要としてた

僕は恋人のお陰で
やっとバンドを辞められた
そのバンドはなんだっていい
記憶に残るものだったら

今後は憧れのソロ活動
誰にも誤解されずに
白いピアノで小さな
うさぎのような音を出す

みんなあいつは終わったと
口を揃えて言うはずなんだ
せっかくの才能を丸ごと
ドブに捨てたようなもんだ

最高の生き方をして
人に尊敬されて
伝説になってみたって
それは僕の欲しいものじゃなかった

愛を求めていたんだ
僕の最低な部分を
僕一人の事だけを
全部認めてくれるような

その真っ直ぐな感情で
ほとんど溶け合うように
抱きあいながら心が
引き裂かれていくような

お前の愛情を必要としてた

神様のドラム


神様のドラム

君はいつでも考えてる 旅について 外国について
言葉の通じない人達と 宿について 雨について

分かりあうことはいつだって わりと簡単なことよ
どこの国にもあるインスタントコーヒーみたいに

まだ知らないその赤い実 君はずっと 探している
それは君が君であるための 香ばしい 理由だった

ペンは剣より強かったけど 銃弾に倒れたの
白馬の王子様は家でいびきをかいているわ

神様のドラムが聞こえるでしょ それは魔法じゃないの
きっと恋をしたその時に聞こえるはずの音
神様のドラムが聞こえるでしょ いつでも休むことなく
きっと旅に出るその一歩が鳴らすはずの音

鍵を見つけるよりも鍵穴を探すほうが
難しかったりするのはどうしてなんでしょう

神様のドラムが聞こえるでしょ それは魔法じゃないの
きっと恋をしたその時に聞こえるはずの音
神様のドラムが聞こえるでしょ いつでも休むことなく
きっと旅に出るその一歩が鳴らすはずの音

車道に鐘楼の音が響く

車道に鐘楼の音が響く

ハリーウィンストン
あなたからの大事な指輪を
洗面所で失くちゃった
三面鏡に映る左側の顔が
最近気に入らない

最果てのソウルミュージック
ベーストが
凍結た舗道で頭を打った
星がきらめく夜
地下鉄の水蒸気が彼を包み込んだ

冷蔵庫に冷えた炭酸水
早く気を取り直さなきゃ
テディベア
から連れ添った可愛い子
わたお嫁にいきます

ターンテーブルが止まる夜明けには
コーヒー売りが白い息を吐いて
音楽家はグルーヴィーな霊柩車で
通りすがりの神様とキス

車道に鐘楼の音が響く  
歯磨きと割れた瓶の音
饒舌な広告塔の周り  
たく鶏の群れ五十万羽

いつも幽霊に取り憑かれたような顔
歩いてたら
タイプライターの文字を腰掛けにてる
気取った若者達

嗚呼あなたはいつぞやのあの人
ロマンスを三本分注射たような
生活の中に詩を詠むような
甲斐性な
何の取り柄もない

わたは単に指輪を探てるだけ
貰い物の
町に工場が建ちあなたは還らぬ人
煙のように

若者達は働きもせず
通り一辺倒の台詞を吐いた
の花嫁は笑いながら
純白の衣装で膝を出

車道に鐘楼の音が響く  
歯磨きと割れた瓶の音
饒舌な広告塔の周り  
たく鶏の群れ五十万羽

車道に鐘楼の音が響く  
歯磨きと割れた瓶の音
饒舌な広告塔の周り  
たく鶏の群れ五十万羽

光になるのよ~ばからしオーケストラ~

光になるのよ~からオーケストラ~

光になるのよ 星になるのよ 煙になるのよ お空になるのよ
光になるのよ 陰になるのよ 未来になるのよ 全てになるのよ
光になるのよ 森になるのよ 別れになるのよ 行方になるのよ
光になるのよ 海になるのよ 魚になるのよ 卵になるのよ

光になるのよ 骨になるのよ 身体になるのよ 命になるのよ
光になるのよ 恋になるのよ 未練になるのよ 笑顔になるのよ
光になるのよ 愛になるのよ 二人になるのよ 一人になるのよ
光になるのよ 夢になるのよ 幸せになるのよ そて消えるの

から から

スタートの位置

スタートの位置

願わく僕はあなたみたいに成りたいと
自分の庭を散々ぱら耕
ようやく小さな人参の一つでも獲れるようになった時
あなた
僕のように成りたいと言ったとか

空には光
風は冷たい
風は冷たいだけでなく
何処かへ時を運び去る
君は僕の過去
未来

思いやるのは難
思い上がるのは簡単だ
僕にできることはと言えただ君を見ているだけ
「その時」が来れどうすれいいか分かるさ

その目に涙
口は動かない
口は動かないのだけれど
何かを伝えたがっている
君は僕の過去
未来

寄り道が嫌いな人に尋ねれ
向こうで楽みたいから早く行きまょう
道のりを楽みたい人に尋ねれ
休憩は割りと好きだねえと答える

あいつは恋に破れて泣くどころか笑っているのに
あいつは恋もせずに悲みと戦っているのに
あいつは安定を手に入れた自分を嘆くのに
あいつは毎日文無で愉快に歌っているのに

その全てを心から仲間だと思える不思議

どうかいつまでも
僕らの足並みが揃いませんように

スタートの位置は此処だ

スタートの位置は此処だ
スタートの位置は此処だ
見誤るんじゃないよ
まだ始まってないんだ
終わりなんて来るわけないじゃないか

スタートの位置は此処だ
スタートの位置は此処だ
見誤るんじゃないよ
まだ始まってないんだ
終わりなんて来るわけないじゃないか

スタートの位置は此処だ

誓いの歌

誓いの歌

外は透明な貝殻を通
光浴びて浮かべる島のようさ
散らかった机の隅の無口な旅人に贈る
誓いの歌

一緒に出掛けよう
自転車を漕ぎ出
考えるよりも
飛んで行けるくらい速く

何をたっていいんだ
そのかわり
他のみんなにもそれは等く言えることなんだ
知っておこうね

嫌だよ
互いを試あうような
馴れ合いを誰かが求めたと
僕はどうだろう

先を進む大勢の人たちは
言い訳をかりで
真似をちゃダメだよ

みに打たれてそこから目を逸らすような
そんなことは許さない
できる筈もない

嫌だよ
誤魔化すのはやめてくれないか
恰好悪いよ

僕と僕の間がくっつくようにてみたって
距離に甘えて打ち明けてみようか
分かったんだやっと
なきゃいけないのは

そうさ喜びに満ちた

静止画

静止画

分かった分かった
もう降参
手柄は全部お前にやろう
若さは凡庸さを隠さずにいられない
でも時に
若さはそれだけで罪である
僕も同じように

分かった分かった
もう沢山
手垢の着いた系譜なんて
自分以上に自分について悲む人がいる
それはつまり
溢れんかりの愛情を注がれたということ
お前も同じように

視界の半分以上が海になってくると
まるで静止画のように平べったい
静止画の中を走っている車
静止画の中を落ちる夕陽

電車の発車ベルが僕の居る部屋にこだまする
海には音が無い
ここから見ている限りは

あそこにはプランクトンが居る
手前の建設中ビルにも居て
ここにもプランクトンが居る

兄弟たちよ争うこと無かれ
生命であることに罪は無いのだ
ただただ放て
ひたすらに放て
み 嘆き 妬み
老いながら
生命の頂きに向かって

勢いよく放て
勢いよく放て
勢いよく放て

悲しい便りの終着点

い便りの終着点

草原の向こうにゼブラが走っていて
僕が手に持っているのは尖った石のついた槍
水飲み場には集落の人が1日に飲める量が限られている

・秘密
ここでは秘密なんか持ちながら生きてはいけない
余計なものを持つことは
余計に生活を複雑にするって
言い伝えられる以前から分かり切っている

・本能
本能のままに暮らすんだ
身体が要求することを満たすように
でもそこにもはっきりとた不文律があって
自分以外も満たされていないといけない

・罪悪
いつから僕は罪悪感を感じるようになったのか
誰か頭のいい人が
貯えという考え方をひらめいた
それからというもの僕たちは穴を掘るようになった

穴はどんどん深くなり
アトランティスが滑り落ち
カエサル達が這い出
今じゃ霞が関あたりで地下鉄の通り道

木馬にのった軍人が走れ走れと命じてる
君の名残りの湯呑茶碗
棄てようとても棄てられない

夢にまで見た生活が嫌よ嫌よと逃げて行く
今や孤独は君の中にある

何もかもうまくいかなかった日々を質に入れて
ささやかではあるけれどアフリカに送ろう
草原の向こうにゼブラが走っていて
こんな悲い便りの終着点

創作ダンス

創作ダンス

プラットホーム プラットホーム
駆け足駆け足 階段12段飛

おっぱいとおちんちん 揺れる揺れる
弾ける弾ける ボインな太陽

サイフォンとiPhone
マッチ棒とョートホープ
三島と谷崎
ャッター外の坂

ハードとボイルド
オスカーとワイルド
男色家の晩餐
カフェ・ド・フロール

創作ダンス

リディアンとフリジアン
ケルビンとーベルト

5月のある晴れた日

5月のある晴れた日

5月のある晴れた日には
歌い始めた友人が欲がっているアコースティックギターを一緒に見に行って
それがまるでそいつの為に作られたみたいにそいつにピッタリの音ていて

その帰り道
ちょうど方南町あたりで
自転車の前輪がパンク
僕は項垂れた自転車の首根っこを掴んで歩くことになる
そんな夜があった

540円で買った安いイヤホンで聴く音楽は
ボブディランがまだ虚勢を張っていた頃の
ドラムスもベースも
ギターにールドさえも無かった頃の歌

東京の杉並区なんかから見えるのは
霞んだ薄緑色の小さな星空
生温い風は昨日とも明日とも同じ
特別なことなんて何一つない
そんな夜があった

もう歩いて行くかないと分かった時
人はいつもよりはっきりとた気持ちになる
高級車に乗っている誰かさんよりも
今の僕はちょっとだけ英雄気取りだぜ

✳✳✳

5月のある晴れた日には
僕は1人の女の子と付き合うことになる
川崎市はずれの小さなアパート
そのエレベーターも無い四階の部屋
開けっぴろげな希望と蝉の死骸が落ちていた階段

その数年後の
5月のある雨の日
僕はその子と一緒になった
僕はいつか杉並区のはずれに移り住み
今自転車を押てその家を目指すことになる
そんな夜があった

✳✳✳

5月のある晴れた日には
知らない女の子が若くて命を落とたという
歌を歌っていた女の子
その子に向けて今夜新宿で歌を歌っている男の子

その同じ頃
天国で絵を描いている親父の
誕生日を祝う男
僕は一人歩きながら思うんだ
今頃あいつは山梨で
ギターを大事そうに抱えて叫んでいるんだろう

もう歩いて行くかないと分かった時
それは諦めの気持ちに似ているけどちょっと違う
僕らは前に進むことを止めてはいない
僕らは自分から歩くことを選んだんだぜ

✳✳✳

5月のある晴れた日には
そんな風に歩きながら
「5月のある晴れた日」という題名の歌を考えている男
縁石を綱渡りたり欠伸をたりながら
これで酒でも飲めたらよかったけれど

ほらもう高井戸の煙突が見えてきた
煙突の向こうには
今僕たちが暮らている小さなアパート
生きている奴らは頑張れよ
月は見当たらないけどそう言ってるに違いない
そんな夜があった

もう歩いて行くかないと分かった時
どれくらいかかるかなんて考えても仕方がない
これは僕の平成27年5月14日のことではあるけれど
君の5月のある晴れた日についてのことなんだよ

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